NHKの朝ドラをまとも一回も逃すことなどなく見たのは、「マッサン」が最初に引き続きこれが2作目。
なんと遅いとびつきなんでしょうね。
時間的なものもあるけれど、録画してまで・・・というのが何故か自分の中にあったのです。
でも見始めたら、これが面白い。
ちょっと古すぎて歳がバレテしまいそうだけど、「♪やめられない、とまらない~」のかっぱえびせんのようものです。
今回も連続予約にもバッチリ入れて、見逃しなく楽しんでいる毎日です。
現在放送中の「まれ」は、北陸の能登を舞台に繰り広げられています。
大きな夢に飛びついては借金にまみれる父。父を健気に支える母。
そんな両親をちいさい頃から見てきたヒロインの女の子は、「地道にコツコツ・・・」を胸に高校卒業後、
公務員の職につくのですが、遭遇する人たちの影響で、封印したケーキ職人を再び目指すお話です。
「外浦村そとらむら」の舞台となったロケ地は、人口約180人の小さな集落です。
寒風を防ぐための竹垣が連なるため「間垣の里」と呼ばれ、観光案内人クラブ「輪島あかり人」のガイドさんが、
「外浦村役場」として使われた旧商店や、「民宿おけさく」など、
住民の暮らしや地元に伝わる民話なども紹介しながら案内してくれます。
地元の人にしかわからない観光スポットが教えて貰えると、なかなかの評判です。
・「輪島の朝市」
ここは、ドラマの前半でヒロインの希(まれ)が、朝登校する前に、
畑で収穫した採れたて野菜を売っていたところでお馴染みです。
千年以上も続く朝市は、女たちが主役の賑やか市。
威勢のよいおばちゃんたちとの、かけ引きが楽しめます。
・輪島塗 塗師屋(ぬしや)
希の同級生の圭太が、「塗師屋」である祖父に憧れ輪島塗の職人を志す場所。
輪島の伝統工芸品の「輪島塗」は、重要無形文化財として世界にも知られる、日本屈指の工芸品です。
破損部分に漆で布を貼付ける「布着せ」や、珪藻土を混ぜた下地を「下塗り」「中塗り」「上塗り」と何層にも厚く施す技法は、
ケーキのミルフィーユにもたとえられました。
修行中の圭太が初めて塗らせてもらったのは、上京する希に贈ったお箸。
輪島市内には「石川県輪島漆芸美術館」があり、人間国宝の名品が数多く展示されていますので、
是非お楽しみ下さい。
・塩田 伝統製法「揚げ浜式製塩」
戦国時代終わりから続く能登の塩は「揚げ浜式製塩」と呼ばれる製法で、
かつては日本各地にあった塩田で行われていました。
海で汲みあげてきた海水を塩田にまき、天日で塩分濃度を濃縮。
それを大釜で煮るという、すこぶるシンプルで重労働の作業です。
希一家が居候する民宿の元治さんが作る塩はまろやかで、ケーキの隠し味の1つでもあります。
このように、見どころの多い能登ですが、私が一番好きなのは能登弁!
能登弁での言葉のかけ引きは、本当に人情味があります。
かつて私が能登を訪れた時は、この能登弁にあまり興味もなく過ごしてしまいましたが、
歳を重ねると、妙に味があり心そそられます。
人間の隠れた本心や、人を思い合う深い愛情が、その場その場で沢山感じられる「まれ」
この先の展開が楽しみです。